引っ越し&大掃除 写真やアルバムを整理・処分・ゴミ出しする方法とは?

押入れにずっと保管されたままのアルバム。重い、かさばる、かび臭い。でも思い出の記録だし、簡単に処分もできない。
こんなモヤモヤした悩みを抱えている方、けっこう多いのではないでしょうか?
近年、終活や生前整理といったムーブメントが世に浸透し、「ときめかないから処分しよう」とか「残すならとっておきの写真だけ」と若き日の思い出といさぎよく決別される方もいらっしゃるようです。
ちなみに下のグラフは学生時代の「卒業記念アルバム」を成人になってから処分した人の割合を示すデータです。
青が男性、赤が女性です。
男女ともに若い世代の卒業アルバムへの執着や関心が薄れつつあることがわかりますね。
過去や思い出に対する価値観は人さまざまですし、必要ないと思うならこうした思い切りの良さもありだと思います。
ただ、処分の決意は固まったものの、はたと考えてしまいませんか?
「写真やアルバムってどうやって処分すればいいんだろう?」
自治体のゴミ収集? 紙だから資源ゴミかな? 個人情報だから粗大ゴミ?
今回はそんな不要になった写真やアルバムの正しい処分方法をまとめました。

目次
ゴミ置き場に放置して平気なら「家庭ゴミ」
写真やアルバムをゴミ扱いすることに抵抗を感じない人は普通に自治体のゴミ収集に出すのが手っ取り早い方法です。

アルバムなら4~5冊分をひとまとめにしてダンボールに。バラ写真なら中身が見えないよう新聞紙などにくるんでゴミ袋に入れて出せばOKではないでしょうか。
なお、アルバムのコイルやビスなどの金属パーツは事前に分別しておきましょう。ただし「アルバムなら分別しなくても大丈夫ですよ」と言ってくれる自治体もあるようなので窓口に問い合わせて確認してみることをおすすめします。
写真は「資源ゴミ」ではないのでご注意を
紙写真は資源ゴミではありません。
紙なのでリサイクルできそうですが、ほぼ例外なく「禁忌品(リサイクルできない紙資源)」に分類されています。もちろん、アルバムも同様。
なので必ず「可燃ゴミ」に出してください。
ちなみに学校法人から配布された卒業記念アルバムやその他のフォトブックは書籍と同じ印刷物ですので「資源ゴミ」に出してください。
個人情報であることを忘れずに

どこの誰か知らない人物が写っていても写真はれっきとした個人情報です。
持ち去られて悪用される可能性もゼロではないため、できるだけシュレッダーで粉砕したり、ハサミで切り刻んでゴミ出ししましょう。
また、古い卒業記念アルバムの場合、巻末に卒業生や教職員の氏名・住所・連絡先が記載されていることがあります。これは個人を特定できる情報ですので確実に閲覧できないよう処理してゴミ出ししてください。
面倒な人はせめてカモフラージュを

シュレッダーが手元にないとか、はさみで切り刻むのが面倒という方はせめて「ローラーケシポン」などで個人情報をカモフラージュしましょう。
ローラーケシポンはホームセンターやネット通販で800円前後で販売されています。
使い方は写真のプリント面をなぞるだけ。保護フィルムに被われたアルバムならフィルムをめくり、人物の顔の部分だけをケシポンして保護フィルムを元に戻せば少なくとも肖像権は守れるでしょう。何もしないより、安心かもしれません。
ゴミ置き場が不安なら「ゴミ処理場」への持ち込み

共同のゴミ置き場に写真(個人情報)を放置するのは不安。そんな方は居住地の自治体が管轄するゴミ処理場(クリーンセンター)に持ち込み、焼却処分してもらいましょう。
持ち込みは本来、引っ越しなどで出た臨時ゴミを処分してくれるサービスですが「個人情報が不安なのでアルバムや写真を処分したい」と窓口の担当者に伝えればたいていは受けつけてくれるはずです。
受けつけは電話での予約が一般的です。利用料金はどこの自治体もだいたいゴミ10㎏ごとに100円前後です。

[車による搬入方法の場合]
・受付は車に乗ったままゲートで行います。ここで名前と予約番号とゴミの内容を確認されます。
・受付を済ませたら計量台に車ごと進み、ゴミを積んだままの車重を測り、計測レシートをもらいます。
・計測が終わったらゴミ(可燃)の廃棄場に移動し、番号で区分けされたゴミの一時置き場に車をバックで駐め、積み荷を下ろします。近くに職員さんはいますが荷下ろしは全て自力で行います。
・荷下ろしが終わったら廃棄場から出てそのまま支払いゲートに進み、計測レシートを精算機に読み込ませ、もう一度、車重を測ってゴミだけの重さを算出し、料金を支払って終了です。

なお、家庭のゴミ出しと同様に写真やアルバムは可燃ゴミなので金属パーツは事前に分別しておきましょう。ただし、「アルバムなら分別しなくても大丈夫ですよ」といってくれる自治体もあるようですので予約の際、窓口で確認してみてください。
あと、注意点としては持ち込む人が「管轄地の住民」であり、ゴミは「本人の所有物」でなければならないという利用条件があります。ゲートで確認を求められることがあるので免許証など証明できるものを忘れずに。
なお、ここまでに書いた情報が全ての自治体で通用するとは限りません。ご利用の際は必ず、管轄の窓口に問い合わせて確認してください。
魂が宿った写真をゴミ扱いできない方は「お焚き上げ」

魂の宿った写真をゴミ扱いなんてとんでもない。そう考える方は神社やお寺さんに持ち込んで「お焚き上げ」してもらいましょう。
お焚き上げとは想いのこもった品々を炎の力で浄化させ、物に宿っていた魂を供養する日本古来の神事・仏事です。
年始の恒例行事として行うお寺や神社が多いようですが、通年サービスとして定期的に行っているところもあるようです。[○○市 お焚き上げ 社寺]とネット検索して調べるといろいろ出てきます。
料金(玉串料/お布施)は、社寺によって異なるものの、写真やアルバムならダンボール1箱(アルバム8冊程度)3~5000円くらいが相場のようです。
持ち込みが難しい方は「お焚き上げの代行サービス」
近隣にお焚き上げをやっている社寺が見当たらないとか、利用方法がよくわからないという方は「お焚き上げの代行サービス」を利用する手があります。
由緒ある社寺と提携したお焚き上げ代行業者が郵送で[お品の預かり]から[社寺への配送手続き]等を代行してくれ、お焚き上げが終了した後、[お焚き上げ完了証明書]を発行してくれます。
料金は120サイズのダンボール1個(アルバム8冊程度)につき、4~7000円といったところです。
金額に開きがあるのは代行業者によって送料別と送料込の料金設定があるからです。業者によって料金はさまざまですのでネット検索してお調べください。
【主な郵送サービスのお焚き上げ代行業者】
みんなのお焚き上げ
株式会社クラウドテン 〒107-0062 東京都港区南青山3-8-40 青山センタービル2F
ご供養の多摩堂
多摩堂 〒193-0932 東京都八王子市緑町46−1
誰にも見られず処分したい方は「溶解処分」
写真やアルバムを誰にも見られず処分したい方は地域の条例に則って「野焼き」するか、それができない方は写真やアルバムを機密文書として溶解処理の専門業者に依頼する方法があります。
溶解処理とは機密原稿の入ったダンボールを未開封のまま、溶解炉(バルパー)に放り込み、薬品によって書類をドロドロに溶かしてしまう処分方法です。第三者の目に一度も触れずに処分が可能です。溶解処理証明書も発行してくれます。

ただし、溶解処分は本来、企業から出る機密情報の漏洩防止と紙資源のリサイクルを主な目的とした処理方法です。
一般家庭の写真やアルバムなどの禁忌品(非リサイクル紙資源)を溶解処分してくれる業者は限られてきますし、利用料も割高です。
宅配で全国対応している主な溶解処理業者は以下の2業者です。
【宅配で全国対応している溶解処理業者】
(株)ワラケン「セキュリティーパック21」
〒457-0068 愛知県名古屋市南区南野3丁目265番地 ※写真アルバム(禁忌品)もOK。
ヤマト運輸グループ「機密文書溶解サービス」
〒104-8125 東京都中央区銀座2-16-10 ※写真アルバム(禁忌品)はNG。フォトブックはOK。
まとめ
写真をゴミ扱いしても平気な方
→ ゴミ収集の可燃ゴミ
- 最も手軽な方法で無料
- 金属パーツは分別が必要
- 個人情報のカモフラージュが少し面倒
ゴミ置き場に放置するのが不安な方
→ ゴミ処理場へ持ち込み
- 予約制の有料サービス
- 料金は10キロ100円前後
- 金属パーツの分別が必要
- 処理直前まで見届けられる
- 個人情報の気遣いが不要
魂が宿った写真をゴミ扱いできない方
→ 社寺でお焚き上げ
- 予約制の有料サービス
- ダンボール単位で1個5000円前後
- 供養の様子を見届けられる
- 個人情報の気遣いが不要
- お焚き上げを行っている社寺を探す必要がある
社寺に持ち込みが難しい方
→ お焚き上げ代行サービス
- webから簡単に申し込める
- ダンボール単位で1個4~7000円程度
- 神社を探す手間が省ける
- 処分の様子は見届けられない
誰にも見られず処分したい方
→ 野焼き、又は、溶解処理業者
- 確実に他人に見られず処分できる
- 野焼きは条例でできない地域が多い
- 業者依頼は禁忌品を断られるケースが多い
- 業者依頼は料金が高額

アルバムや写真への思い入れは人それぞれ。
自分が納得する方法で処分すれば良いと思います。
でも処分することに少しでもためいを感じたら
とりあえずデータ化をおすすめします。
紙写真は処分してしまうと二度と目にすることはできません。
処分することに少しでもためらいや迷いが生じた方は処分する前にデジタル化をご検討ください。
あなたがもしお若い方なら、今の年齢で関心がなくても人生経験を積んだ何年後かに見たとき、また違った感慨に浸れるのが思い出の写真です。