水没したアルバム写真の応急処置と救済方法

出典:おもいでかえる

2019年の初秋。記録的な大雨をもたらした台風15号と19号により、東日本の各地で土砂災害や河川の氾濫が相次いで発生しました。

その災害の犠牲となられた皆様に哀悼の意を表し、負傷された方及び被災された方、ご家族、関係者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。

目次

被災地からこんな問い合わせが届きました!

台風19号が去って1週間が過ぎた頃、お客様から当サイトにこんな「問い合わせ」が届きました。

掲載許可をいただいています。

かわいいお子様たちの成長記録、なんとか救済してあげたい気持ちは山々でしたが、さすがに泥まみれの原稿は精密機器のスキャナーにセットできませんので、その旨を丁寧にお伝えし、ご理解いただきました。

その後、このお客様とやりとりする中で気になったのが水没したアルバムの保管状態でした。

お尋ねしましたら「濡れタオルで拭いたあと、知人の家の納屋に段ボールに入れておいてある」とのことでした。

もしアルバムの救済をお考えなら残念ながらそれは最悪の保管方法です。

やるべきことが山積しているであろうことは承知の上で、正しい処置・保管方法を助言させていただきました。

泥水をかぶったアルバムの応急処置

泥水にまみれたアルバム写真の応急処置で大事なポイントは「一刻も早く乾燥させること」です。

アルバムはざっと汚れを落としたら急いでページを開いて立てた状態で陰干しさせ、完全に乾かします。

取り切れなかった汚れは気にしなくていいです。完全に乾いた後でもう一度水洗いしてきれいにします。つまり、初期処置で大事なことはまず完全に乾かすことでカビやバクテリアの繁殖を阻止することが先決なのです。

他にも同様の問い合わせが

この質問者様の後、同じように被災地から何通か問い合わせが届きました。

やはりアルバムが水没したとか、水没は逃れたものの、またいつ来るかも知れない水害に備えて写真やアルバムをデジタル化したいという趣旨の問い合わせが大半でした。

被災していないアルバムに関してはもちろん、デジタル化をお引き受けいたしました。ですが水没したアルバムや写真は前述した理由により、お力にはなれませんでした。

このような経緯もあり、今回は水没したり、泥まみれになった写真やアルバムの応急処置についてまとめてみました。

といっても専門家ではないので、より詳しく専門的に解説した情報サイトのリンクを貼り付けておきますのでどうぞ参考にしてください。

水没写真は応急処置で救えます 

紙写真やアルバムが水没して泥にまみれになってもあきらめないでください。

2018年7月の西日本豪雨で被災した岡山県倉敷市真備町地区で写真の洗浄などを続けている任意団体「あらいぐま岡山」によりますと、正しい応急処置を行うことによって水没した写真を救済できる可能性があります。

写真やアルバムの種類、汚れの状態によってその方法は異なりますので、詳しくは以下のリンクから専門の情報サイトを参考にしてください。

ちなみに一般的な紙写真や台紙に写真を貼り付けるタイプのアルバムの処置方法はざっくり紹介すると以下のような手順となります。

写真・アルバムの応急処置のポイント

◇泥にまみれた写真やアルバムの汚れをさっと落とし、「紙同士は重ねずに離して」「アルバムは開いて」すぐに陰干しで乾かす。

   
 

◇完全に乾いたらタライにためた25℃前後の温水で優しく残った汚れを洗浄し、もう一度、完全に乾かす。

乾燥して救済できた写真は速やかに「デジタル化」する。

ボランティアが作成した「水没写真の応急処置」

下のチラシは東日本大震災をきっかけに発足し、今なお全国の「被災地域の写真レスキュー活動」に取り組むボランティア組織が作成した「水に濡れた写真の応急処置」のチラシです。長年の経験に裏打ちされた大切なポイントがわかりやすく解説されていとても参考になります。

出典:課外のあらいぐま(http://kagaiguma.blog.jp/)

「水に濡れた写真の応急処置」(PDF)

注意!フォトブックアルバムはすぐに乾かしてはダメ!

雨水や泥水にまみれたフォトブック。代表的なところで言うと「卒業アルバム(印刷製本式)」に関しては応急処置の手順が違うので注意が必要です。
 
   
 

学校法人から配られる卒業アルバムは製本されたフォトブックが一般的で「塗工紙」という紙に印刷されていてます。

塗工紙は汚れた水に濡れるとたちまち水分の蒸発とともにページ同士が張り付いて固まってしまうという性質をもっています。水道水に濡れても張り付かないので汚水に含まれる微生物の仕業と考えられています。一度、張り付いて固まると容易にはがせません。

こうした理由から製本式のアルバムの初期処置は台紙型アルバムとは違い、「まず濡れた状態を保ち、水分の蒸発を遅らせること」が大事なポイントとなります。

方法としては濡れたアルバムを急いでポリ袋に入れて口を結び、水分の蒸発を遅らせてください。もちろん、この状態で長時間、放置するとカビとバクテリアが発生しますのであくまでもこれは緊急措置。急いで次の処置の準備に取りかかります。

次の準備は「タライに水道水をためる」「タオルを数枚用意する」「吸水紙(新聞紙等)を用意する」「重しになるモノを用意する」です。

次の準備が整ったらポリ袋から濡れたアルバムを取り出し、タライにためた水道水で優しく丁寧に水洗いし、全体の水気をタオルで拭き取った後、ページとページの間に適当な大きさに切った吸水紙(新聞紙等)を挟んでいき、ページ同士がくっつかないようにして上から重しをのせてしばらく放置します。

吸水紙はよきタイミングでとり換え、ページとページが張り付かないくらい水気がなくなるまでこの行程を繰り返します。

ほぼ乾いたらページとページを開いて扇状に立て扇風機などで完全に乾かしてようやく救済完了となります。

※詳しくは以下の動画サイトでご確認ください。

 

水没写真の救済方法を詳しく解説した専門サイト

水没したり、泥まみれになった紙写真やアルバムの応急処置の方法に関してより詳しく専門的に解説された情報サイトがいろいろございます。
以下にそのリンクを貼り付けましたので情報が知りたい方はどうぞ参考にしてください。
 

 

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