写真をデジタル化するときのスキャナ選び
紙焼き写真をデジタル化する上で欠かせない機器がスキャナです。最近は小型で低価格のスキャナも登場し、紙焼き写真を自分でデジタル化してみようかなと考える方も多いようです。
古い写真は大切な記憶財産。そして、日々、劣化が進行しています。私たちも大いにデジタル化をおすすめします。ただ、家電量販店でスキャナのコーナーをのぞくとたくさんの種類が並んでいて決めかねてしまいます。値段も大きさもさまざまですのでよけいに迷いますよね。そこで今回は用途によって決まるスキャナ選びをテーマに、スキャナの種類、性能についてのお話です。
スキャナってそもそも何なの?
文書・画像・写真などを、読取センサーを通してデジタルデータに変換することをイメージスキャンと言い、変換する装置をスキャナといいます。コピーとスキャンの違いをよく聞かれるのですが、コピー(デジタル式)もスキャンも原理は同じであり、主に読み取った画像を印刷することをコピー(複写)、データ化することをスキャンと位置づけているようです。
スキャナにはどんな種類があるの?
スキャナには用途に応じたいくつかの種類があります。主なスキャナは次の通りです。
▼フラットベッドスキャナ
原稿を透明な原稿台に固定し、光を当てる装置を移動させて読み取り、デジタルデータに変換するタイプのスキャナです。原稿を上から押さえてスキャンするため、湾曲したり、皺のある原稿など、絵や写真に向いています。
読み取り装置にはCCDタイプとCISタイプがあり、一般に普及しているタイプは低価格・軽量のCISタイプですが、写真などの画像を高画質で読み取る用途なら高性能機種に位置づけられるCCDタイプを選択する必要があります。なお、現在家庭用として普及しているコピー・プリンター機能もついた複合機に搭載されているスキャナのほとんどがCISタイプとなっています。
▼ADFスキャナ
製本化されていない複数枚の文書をまとめて取り込むために使われるスキャナです。読み取り装置を固定しておき、自動原稿送り装置(ADF)で原稿をローリングさせて読み込む方式です。用紙に厚みがあったり、大小様々なサイズの原稿(紙写真など)を取り込むには不向きであり、無理に読み込ませるとローラーに原稿がひっかかったり、破損したりする可能性があります。なお、フラットベッドスキャナにもADF装置を装備した機種がありますが、主に書類や文書を読み込む用途として使われています。
▼ハンディスキャナ
光源と読み込み装置を一体化させて小型のボディに組み込んだ機種で、主に携帯して使用するスキャナです。手軽に名刺や雑誌・新聞の記事など、狭い範囲の原稿を読み取るのに適し、基本的には原稿の読み込み箇所を一定方向に真っ直ぐなぞってスキャンします。
▼フィルムスキャナ
ポジ・ネガなど写真用フィルムを透過光で読み取って画像として処理するスキャナです。専用モデルの場合は2400dpi以上の高解像度の機種がほとんどです。また、透過原稿ユニットを装備したフラットベッドタイプにもフィルムスキャンできる機種があります。専用モデルに比べフラッドベッドスキャナは低価格ですが、若干、性能と効率に劣ります。
▼ブックスキャナ
書籍の印刷面を取り込む専用のスキャナです。書籍の取り込みはフラットベッドタイプでも可能ですが、分厚い書籍のノド(溝)の部分まできれいに読み込めない上、1ページずつ手でめくってセットするため、手間がかかります。また、ADFタイプであれば書籍自体を分解する必要があり、価値のある本や高額な本は分解するわけにいかないという問題があります。ブックスキャナはページめくりを自動化することで本にダメージを与えず、かつ高速に取り込むことができるのが特徴ですが、高額ゆえにほとんど個人利用には向いていません。一般に図書館や学術機関など業務用途となります。
▼ドラムスキャナ
太い直径をもつ筒(ドラム)に原稿を巻きつけ、ローリングさせて画像を読み取るスキャナです。一度に1画素のみを読み取る構造になっていて、その分、速度は遅いものの、撮像素子の解像度による制約がないため、数千~1万dpiの高解像度を得ることができるのが特徴です。高性能であり、大型の装置のため、価格も数百万円と高額で、主に業務用として印刷物の製版用データを得るために使用されるスキャナです。
CCDタイプとCISタイプの違いとは?
CCDタイプは光学縮小方式と呼ばれ、原稿に当てた光の反射光を内部ミラーを使ってさらに反射させ、レンズを通してセンサーで読み取ります。CISは密着センサー方式と呼ばれ、基本的には内部にミラーがなく原稿の反射光をレンズを通して直接センサーで読み取ります。レンズを持たないCIS方式もあります。方式の違いはそのまま用途の違いとなりますが、それぞれに長所と短所があります。
CCDタイプの長所と短所
CCDタイプは光源を白色蛍光ランプとし、複数のミラーとレンズを用いて撮像素子であるCCDイメージセンサに導きます。そのため、焦点深度が深く、原稿が原稿台に密着していなくてもピントが合いやすく、高速な読み取りが可能で、高解像度を得やすいことが最大の長所です。写真を高画質で読み込む用途にはCCDが適切といわれる理由がここにあります。
また、焦点深度の深さなどから写真フィルムの読み取りも可能とする機種が多いのもCCDの特徴です。ただし、欠点もあります。まずCISに比べて機構が複雑で装置が大きくなります。また、光源に蛍光ランプを用いているためにウォームアップ時間がかかり、立ち上がり時間が遅い上に、消費電力も大きくなります。最近はそうした欠点を払拭するため、ウォームアップ不要による待機時間の短縮、省電力化を目的として白色発光ダイオードを光源として用いる機種もあります。また、複雑で高機能なため、そこまで必要でない型にとっては価格が高いというのも短所といえるかもしれません。
CISタイプの長所と短所
CISタイプは光源にRGB3色の発光ダイオードを用いたもので、RGBをそれぞれ高速に切り換えてロッドレンズアレイを通してCMOSイメージセンサに原稿からの光を直接的に導く仕組みです。CISの最大の長所は機構を単純化したことによる小型軽量・低電力消費、そして、なにより製品価格の安さです。家庭用複合機に搭載されるスキャナのほとんどがCISタイプである理由がここにあります。
ただし、CISにも短所があります。光源を切り換えるのに時間がかかる。CCDタイプのものよりも読み取り速度が遅くなる。また焦点深度が浅く、原稿が原稿台に密着していないとピントが合いにくい上、コントラストの高い部分では色のにじみが生じやすいという欠点があります。
当社のスキャナはもちろんCCDタイプ
劣化が進行する写真原稿を出来る限り高画質で取り込むために当社のスキャナはフォトスキャン専用のCCDフラットヘッドを採用しています。作業効率を優先し、画質を犠牲にしたり、原稿破損の危険性をはらむローラー搬送のADFは一切使用せず、また、カメラ等による接写スキャンは一切行っておりません。
作業は徹底した火気厳禁・飲食厳禁の中、熟練スタッフが常に手袋を着用し、丁寧な手作業によってスキャニングいたします。必要な場合は写真やアルバム原稿の表面や原稿台のクリーンナップも欠かしません。また、複数のお客様の原稿が混在しないよう、お客様ごとに作業ブースを分けて作業するなど、徹底した品質管理を心がけております。
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