運動会・ビデオ撮影のコツと裏ワザ(PART2)「撮影の心得9カ条」
「①事前準備」
「②ビデオ撮影の心得9カ条」
「③撮影のコツ」
「④撮影のウラ技」
ここからは「②ビデオ撮影の心得9カ条」です。
ビデオ撮影の心得9カ条
運動会のビデオ撮影を成功させるために心がけておきたい9つの心得です。
私なりの心得ですのですべての項目が「絶対」というわけではありませんが、少なからず意識して頂くだけでもプラスになると思って書かせて頂きました。
撮影者は一足早く会場に先乗りしよう
先乗りと言っても撮影ブースのベストポジションを確保するための先乗りではありません。
開会式の30分くらい前に到着し、プログラムやトラックの向き、撮影位置などを再確認しておきましょう。
また時間が余ったら「校門の学校名」「運動会の看板」「入場門アーチ」「季節の草花」「グランドの雑観」など後の編集の時に必ず必要となるカット(インサート)を押さえておきます。
草花などは太陽の明るさで色彩が変わってきますので、太陽が頭上に昇る時間まで待って撮影を後回しにしてもOKです。
こうしたインサートカットを押さえておくことで後の競技撮影に集中でき、取りこぼしをなくし、気持ちに余裕が生まれます。
運動会は我が子が主役と割り切ろう
親御さんにとって運動会の主役は我が子ですので、我が子に関係のない競技や演目は撮影対象から思い切って外すという選択肢もあります。
調子にのって他の学年の競技を撮りまくっていたら肝心の我が子の競技の時にバッテリー切れになってしまった言うことがないように。
ただし、運動会の雰囲気や賑やかさは必要ですので、我が子の競技に関係なくてもいくつかのシーンは押さえておきましょう。
また、全体の流れを説明する作品にしたい場合は他の競技も押さえることになりますが、その場合は撮影分量を考え、必要な分だけ、予備のバッテリーを用意しておきましょう。
撮影は記録。編集は物語と意識しよう
運動会は撮影の段階では記録映像です。
しかし、撮り終わった編集の段階からはその記録を物語として構成する意識が必要です。
撮影時の段階から編集のことを想定し、我が子を主役とした物語を紡いでいく感覚の撮影を心がけてください。
私が常に意識しているテーマは「1年でこんなに大きくなったんだね」というわかりやすい視点です。
我が子の顔つき・体つきが年々精悍に、立派になっていく成長の変化を記録に残す。
こうした撮影テーマを意識してカメラを回しているとおのずと撮影すべきシーン、撮影手法、取り損ねたカットがわかってきます。
主役以外の脇役もきっちり押さえよう
我が子が主役と言っても我が子ばかりを撮っていては編集しても物語にはなりません。
主役は脇役の存在があってこそ引き立つもの。仲良しのクラスメイト・応援する祖父や祖母・担任の先生などもきっちり押さえておくことが大切です。
また、このときの撮影は映像よりむしろ音声を意識してください。
「絶対に負けないぞ」「○○ちゃん頑張って」「みんな準備はいいかっ!おう!」など。随所にコメントが入ることで作品全体がぐっと立体的になります。
よその子を撮る時は注意しましょう
ビデオを回していると、よその子が画面に入ってきます。運動会を撮影しているのですから当然と言えば当然なのですが、親御さんの中には他人に我が子を撮られるのを嫌がる人がいるかもしれません。
多少、映り込むのは仕方のないことですし、気にしていては撮影なんて出来ませんが、よその子を長回しで撮るような場合はこのことを少しは意識しておきましょう。
開会式は必ず押さえよう
運動会は開会式の厳粛なムードで開幕します。
この場面は全校生徒を一度に撮影できるチャンスであり、「これから始まるぞ」というワクワクする期待感にあふれていて、作品導入に欠かせないシーンのひとつにもなります。
また、運動会は学校行事ですから式典の様子を通して学校のカラーや校風が映像ににじみ出てきます。
遠い将来、大きくなったお子さんがビデオを見たとき、なんともいえない懐かしさを感じてもらえる大事なシーンです。
我が子の競技からいきなり撮り始めるのではなく、出来れば開会式から押さえておきましょう。
開会式で押さえておくべきカット
開会式の撮影で押さえたいカットを挙げるとしたら…
- 「開会を知らせるアナウンス」(只今より第○回、○○小学校の運動会を開催いたします…等の音声)
- 「全校生徒の入場・整列」(全校生徒からズームして我が子のアップ/又はその逆のカメラワーク)
- 「校旗掲揚」(学校行事ならではの厳粛さを押さえておきます)
- 「校長先生の挨拶」(長々と入りません。雰囲気カットと割り切り、30秒程度も撮ればOK)
- 「選手宣誓」(これも雰囲気カット/我が子が宣誓していれば、はずせませんね)
- 「ブラスバンドの演奏」(広めの画と各楽器演奏の手元アップ)
- 「見守る観客」(狙う方角を変えて広い画角で数カット)
- 「校歌斉唱」(校歌斉唱は歌の1番もしくは2番を長回しのワンカットで(理由は後述)/歌の始まりはロングショット。そこからゆっくりズームして我が子にアップ。サビの部分から徐々に画角を広げて最後はロングのフィックス映像で固定)
気をつけることは各カットをだらだらと長回ししないこと。校長先生の挨拶などを延々と撮ってもあとで見るとき早送りの対象となることが多いです。雰囲気を伝えるために要所要所を短いカットで撮影しておきましょう。
ただし、「校歌斉唱」だけは、少なくとも1節(1番か2番)全てをノーカットで押さえておきましょう。
このときのポイントは映像を撮ると言うより、現場の音声(生徒の歌う声)を録音するという意識です。
その理由は後述する「運動会・ビデオ撮影のウラ技」で詳しく解説します。
撮影は譲り合いの精神を意識しよう
我が子の撮影に夢中になるとまわりの状況が見えなくなることがあります。
例えば自分の撮影が終わったからと言ってすぐに立ち上がったりするのは禁物です。後ろでカメラを構え撮影を終えていない人がいるかもしれないからです。
逆に自分が撮影中にもかかわらず、ぶつかってきたり、カメラの前にいきなり立ちはだかったりされることもあります。
でも、それをたしなめたり、怒ってはいけません。みんな我が子の撮影に必死なのです。本質的には他愛のないことです。
お互い様という理解をもっておおらかな気持ちで譲り合いの精神を持ちましょう。
運動会の動画投稿には注意しよう
運動会ビデオをYouTubeなどに投稿し、それを「公開」する場合に注意すべきポイントが2つあります。
ひとつは肖像権。
運動会ビデオにはたくさんのお子さんや関係者が映り込んでいますので、そのまま画像処理(モザイク処理など)をせずに公開すると個人の肖像権を侵害する行為となります。
ましてや大半が小さなお子様ですので顔の特定につながり、極めてよくない行為です。画像処理せずに公開することは絶対にやめましょう。
注意すべきもうひとつは著作権です。
「え?私が撮影した映像なのに著作権ってどういうこと?」と思われる方もいるかもしれませんが、例えば運動会の競技や演技中には何かしらBGMが流れているはずです。これらBGMの多くが著作権で保護されている楽曲です。
第三者が著作権を有するオリジナル楽曲を運動会のBGMと言えども許可無く複製(撮影)し、許可無く再生(鑑賞)することは原則として違法です。
だったら運動会なんて撮影できないと思ってしまいますが、そこは大丈夫。個人レベルで楽しむ範囲なら撮影(複製)も鑑賞(再生)も特例として認められているのです。
ただし、動画サイトで公開することは別です。
不特定多数の人に見せる行為であり、個人レベルの範囲から外れています。
よって、著作権に守られたBGMを消去せず、あるいは、楽曲の著作権を管理する「日本著作権協会JASRAC」に使用申請手続きを行わないまま、動画サイトで公開すると違法となりますので注意して下さい。
また、ご自身のブログや個人サイトなどで公開することも同様に違法となります。
ただし、動画サイトでの公開に関してひとつ許された特例があります。
YouTubeなどの大手投稿動画サイトは現在、「日本著作権協会JASRAC」と著作権利用の包括契約を結び、「JASRACの管理曲ならば、自ら演奏したり、歌唱したものであるなら公開しても問題なし」となっています。
例えば、有名アーティストのCD音源を使用せず、楽譜を見て生演奏し、その演奏に合わせて歌を合唱するようなシーンは問題ありません。
なんだかんだと複雑でややこしいのが著作権問題。
ここまで説明しておきながら実は私も著作権に関してはわからないことだらけです。グレーゾーンもたくさんあります。
もっと詳しく知りたい方は「日本音楽著作権協会JASRAC」のHPにてお勉強してください。そして、勉強するのがめんどくさい方は基本的に運動会動画はネットで公開することは難しいものと考えておきましょう。
(注)非公開で投稿した運動会動画でも警告が来ますのでご注意を!
運動会のビデオ撮影を成功させるコツと裏ワザ(その三)「運動会のビデオ撮影のコツ」に続く…