運動会・ビデオ撮影のコツと裏ワザ(PART3)「撮影のコツ」
「①事前準備」
「②ビデオ撮影の心得9カ条」
「③撮影のコツ」
「④撮影のウラ技」
と4つのPARTに分けてご紹介している『運動会ビデオ撮影のコツと裏ワザ』。
ここからは「③撮影のコツ」です。
カメラを左右に振りまわさない
まずカメラを上下左右に振り回わしてはいけません。これはカメラワークの基本中の基本です。
子供は予想外の動きをするので、つい慌てて被写体を追いかけてしまう気持ちはわかりますが、結果として見るに堪えない映像になってしまいます。
演出としてそうしたカメラワークもあるのですが、基本はカメラを手首でカクカク動かさず、被写体を追うときは脇を締め、体の軸をつかう感覚でゆっくりカメラを動かして下さい。
このとき、空いているもう一方の手でカメラの側面をそっと支えるのが理想です。
また、よほどの意味がない限り、被写体を超アップで極力狙わないことです。
アップで撮っていると子供が少し動いただけで画面から外れてしまいます。
最近のテレビは大画面ですので少し引き気味のサイズの方が見やすい映像になります。
裏回しに注意
撮影を終えた後、スタンバイにしたつもりがカメラが録画状態になったままになっていることがあります。
これを私は裏回しと呼んで言います。
運動会はとにかく慌ただしい撮影ワークになりますので、夢中になっていると意外と頻繁にコレをやらかしてしまいます。
肝心なときにバッテリー切れにならないよう、時々、裏回しになっていないか確認しましょう。
子供の目線まで腰を下げて撮影
運動会のビデオ撮影ではカメラを構える高さと角度が大切です。
大人が普通にカメラを構えて子供にカメラを向けると、たいてい上から見下ろすアングルになります。
意図したアングルならいいのですが、運動会の主役はお子さんです。
カメラの高さと角度は主役であるお子さんの背丈に合わせることを意識して下さい。
高さは片ヒザをついて撮影するとちょうどお子さんの目線になります。
その体勢でカメラを両手で支え、脇を締めればカメラもしっかり安定します。
お子さんの目に映っている世界観を映像化することで作品全体の印象が変わります。
ハンディ撮影の時のコツ
三脚を使えばそこそこ安定した映像が撮れますが、手持ちカメラ(ハンディ)で撮影する場合はちょっしたコツが必要です。
まず撮影姿勢ですが、前述したとおり、片ヒザをついて撮影するクセをつけましょう。
片膝をつくことで地面には足の三点が設置しています。つまり、自分自身が三脚になる感覚です。これだけでかなり安定しますし、同時に子供の目の高さになります。
次にカメラを持つコツですが、力一杯握りしめてはいけません。
手に力が入るとちょっとした動きで映像がブレてしまいます。カメラを握るチカラはやんわりと。そして、もう一方の手をそっとカメラに添え、両脇はギュと引き締めてください。
腕の軸、身体の軸を意識してゆったりとしたスピードでカメラを左右上下に動かす感じです。
ただし、オーソドックスな画角ばかりでは面白くないので、時には極端にローアングルから狙ったり、カメラを高く掲げてハイアングルから狙ったりしても面白い画が撮れて編集後の作品が立体的になります。
超ローアングルなどは競技前の入場門でスタンバイしている子供のコメントを拾うときなどに使えるカメラワークです。
徒競走はゴール位置から狙う
徒競走はスタート位置よりゴール位置でビデオを構えるのが定石です。
反対側のスタート位置の子供を軽いズームでとらえておき、スタートからゴールまで長回し(ノーカット)で押さえます。
撮影方法はパンニング撮影が基本です。パンニング撮影とは被写体をゆっくり追うようにカメラをなめらかに動かしていく撮影法です。
我が子が転んだなどのハプニングがない限り、極端なズームは使わない方がいいでしょう。
被写体が激しく動いているため、ズームしすぎると突然我が子が画面から消えたり、ピントがぼけてしまうことがあります。
またスタート直後はズームイン状態になっているはずなので被写体が画面からはずれないようカメラをゆったりしたスピードで動かす必要があります。
子供が第一コーナーに差し掛かる辺りから徐々にズームアウトし、画角を広げます。その時の画角も走っている我が子だけを撮るのではなく、まわりの走者もかならず画面に入れるようにしましょう。徒競走は誰かと競い合っているという映像に意味があるからです。
そして、子供がゴールして歩を緩めたあたりから再びゆっくり我が子にズームインし、出来れば表情を押さえます。
喜び、悔しさ、爽やかな笑顔。このカットを押さえられたら徒競走の撮影は成功です。
一発本番が不安な場合は事前によその子の競技を録画せずにカメラワークだけをリハーサルしておけば、本番でのミスは少なくなります。
映像を撮り終えてもすぐに録画停止しない
目的の映像を撮れたとしても、その直後にすぐに録画停止しないクセをつけましょう。
のちのち編集することを考えた場合、映像カットには前と後ろに最低でも5秒以上の「ノリシロ」が必要です。
ほしい映像はここまで!と判断したとしても、すぐに録画停止ボタンを押さず、頭の中で「1.2.3~5」とカウントし、最低でも5秒程度はじっとこらえてブレのない安定した映像を「捨てカット」として撮っておいてください。
同様に録画開始の時も同じ意識をもって少し早めから回し始めます。この前後の捨てカットがあると編集しやすくなります。
閉会式のあとに大事な撮影シーンが待っている
運動会は閉会式で幕を閉じます。でも、それは学校行事としての閉幕であり、家族のイベントはまだ終わっていません。
撮影のしめくくりのはやはり、運動会で主役を演じたお子さんの感想コメントになるでしょう。
「はい。○○君、何かしゃべって~」とコメントを求めても話しにくいので以下のようなインタビュー形式がおすすめです。
Q今年の運動会どうだった?
Q自分をほめてあげたいことはなあに?
Qこうすればよかったと反省していることは?
Q今夜のごはん、何がいい?
運動会のビデオ撮影を成功させるコツと裏ワザ(その四)「運動会・ビデオ撮影のウラ技」に続く…