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プリント写真をデジタル化するにはスキャナを使ってデータ化するのが一般的です。デジカメを使った「マクロ撮影」という方法もありますが、ライティングなどの技術が求められる上に写真の四角に歪みが生じやすく、得られる画質はフォトスキャンを上回ることはありません。

スキャンはやはり専用スキャナでの取り込みが王道と言えるでしょう。

ただし、フォトスキャンは通常の文書スキャンと異なり、間違ったスキャナ選びをしてしまうと、後悔してしまうことがあるので注意が必要です。今回は自分でプリント写真をデジタル化する方法と注意点をまとめてみました。

必要なモノはパソコンとスキャナと根気!

スキャン作業を行う上で必要なモノは「パソコン」「スキャナ」「画像編集ソフト」。この3つがあればOKです。あとは作業に費やす時間とスキャン作業を黙々とこなしていく忍耐力でしょうか。写真原稿が多い場合、単調で退屈な作業が続きますからかなりの根気が必要です。

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パソコンはCPUの性能によってスキャンスピードが多少変わってくるものの、プリント写真などの比較的小さな画像を扱うなら各メーカーから販売されているエントリークラスでも特に問題なく作業が行えます。ノートパソコンでも最近のモデルなら画像処理能力は問題ありません。

それより大事なポイントは実装メモリです。パソコンのメモリ容量が少ないと複数の画像を扱うと固まってしまうことがあります。メモリは余裕を持った容量を搭載しましょう。

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スキャナは1万円を切る低価格のモノからウン十万とする高性能なモノまでいろんな機種が揃っていますが、用途にあったスキャナを選ぶ必要があります。

スキャナの種類と特徴

スキャナは用途に分けて「シートフィードスキャナ」「ハンディスキャナ」「スタンドスキャナ」「フラットヘッドスキャナ」などの種類があります。

ph_lineup02「シートフィードスキャナ」は原稿を自動で供給するタイプのスキャナで大量の書類原稿を高速でスキャンする用途に適しています。ただし、厚みのあるプリント写真は自動給紙のローラー内部に詰まってしまうケースが多く原稿を破損しかねませんし、画質にも歪みが発生しやすいです。写真のスキャンには不向きですので選択肢から外しましょう。

ph_lineup01「ハンディスキャナ」は文字通り、携帯して使用できる小型タイプのスキャナです。出先で名刺・雑誌・手書きメモ等を手軽にスキャンする用途に向いていますが画質的にも効率的にもプリント写真にはおすすめできません。

ksdenki_4939761307799「スタンドスキャナ」は本や雑誌などの厚みのあるものをスキャンする用途に特化したスキャナです。当然ながらプリント写真には向いていません。選択肢から外しましょう。

ph_lineup04プリント写真に適したスキャナはズバリこちらの「フラットヘッドスキャナ」になります。フラットヘッドスキャナとはコピー機のように、ガラスの原稿台に写真をセットして、下から光を照射して原稿を読み込むスキャナです。ただし、フラットヘッドスキャナには読み取り方式が異なる二種類のタイプがあります。「CCD方式」と「CIS方式」です。家庭用の複合機はほぼ例外なくCIS方式ですが、結論から言わせてもらうとフォトスキャンなら前者のCCD方式を選んでおくことをおすすめします。理由は以下の読み取り性能の違いにあります。

yjimage-14高性能なCCD方式とは
反射光をミラーに反射・集約させ、数枚のレンズを介してセンサーで読み取ります。そのため、ある程度原稿が浮いていてもピントが合う構造になっています。利点は被写界深度が深いということと、プリント写真だけでなくフィルムのスキャンに対応した機種が多いということです。欠点としては内部構造が複雑で本体が大きい。電力を多く消費する。価格が高い。といったところでしょうか。

yjimage-15CIS方式とは
原稿に反射した光がそのままレンズやセンサーに届く構造になっています。平面写真の読み取りだけなら画質的にCCD方式とあまり大差はないかもしれませんが、アルバムの保護シートの上からスキャンする場合など、読み取り画質に明らかな違いが出てきます。利点としては内部構造がシンプルでボディが薄く軽量。電源はUSBから供給可能。価格が安い。欠点としては画質がCCDより悪い。フィルムスキャンが出来る機種が少ないといったところでしょうか。

フォトスキャンならCCD方式のスキャナがベスト

01プリント写真をより良画質で取り込みたいならCCD方式を選ぶのが賢明です。そこまで画質にこだわらないし、フィルムもスキャンしないし、あまり機材に費用をかけたくないという方はCIS方式という選択肢もありますが、やはり「ここぞ」と言うときにCCD方式は高い性能を発揮してくれます。

スキャン作業はとにかく手間と時間のかかる作業です。貴重な時間を費やしてやるからには確実な画質を求めたいものです。取り込んだものの、得られた画質に満足せず、また最初からやり直しになったら目を当てられません。

また、台紙型アルバム(フエルアルバムなど)では保護シートが写真表面と癒着して剥がれず、やむなく保護シートの上からスキャンという場面も頻繁に出てきます。その場合、保護シートの波打ちがひどいと、光が反射してCIS方式では良画質で取り込めません。

思い出の写真のデジタル化ですからおそらく一生に一度限りのこと。フォトスキャンをメインに考え、確実な画質を求めたいなら、多少、出費は伴いますが、やはりCCD方式を個人的にはおすすめします。

CISとCCD方式でどれくらい画質が違う?

最近は広く普及しているプリンター複合機にはほとんどの機種でスキャナ機能がついています。ただし、CIS方式が主流ですので性能的には正直、おまけ程度です。画質は正直、おそまつです。やはり、プリント写真を良画質で取り込みたいならフォトスキャンに適したCCD方式のフラットヘッドスキャナを揃えたいところです。ちなみに複合機のCIS方式とフラットヘッドのCCD方式でスキャンした画質はどれくらい違うのか。アルバムの保護シートの上から同じL版写真を解像度300dpiでスキャンして比較したものが以下のサンプル画像です。

▼サンプル写真(CIS方式)
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▼サンプル写真(CCD方式)
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スマホでご覧になっている方は少し違いがわかりずらいかもしれませんが、複合機のCIS方式ではシャツの背中のグラデーションがきれいに再現されていません。少しでも良画質にデジタル化したいならやはりフォトスキャン専用のCCD方式をチョイスすべきでしょう。以下に個人的におすすめのフォトスキャン対応のフラットヘッドスキャナ(CCD方式)をいくつかピックアップしました。なお、以下の製品は2017年12月現在販売中のものです。機種変更されていたり、廃盤になっている可能性がありますのでご確認下さい。

おすすめのフラットヘッド(A4/CCDタイプ)

<EPSON>
yjimage-19GT-X980(エプソンのA4フラッグシップ。フィルム対応。プロ仕様。画質は個人ユースの機種の中で現時点ではおそらく最高レベル。ただしお値段も5~6万円台とかなり高額)

yjimage-18GT-X830(フィルム対応。写真スキャンの画質ならGT-X980に匹敵。GT-X980よりスキャン速度が速い。3万円ちょいという価格が手頃)

 

yjimage-18GT-F740(フィルム対応。2012年発売の古い型だが画質は十分。CCDなのに本体がコンパクト。価格が1万円台と安くコスパ的に今でも人気機種だけに品薄)

 

<CANON>

yjimage-20CanoScan 9000F Mark II CS9000FMK2(キャノンのフラッグシップモデル。フィルム対応。画質は申し分なし。2万円前後で割安感がある)

おすすめのフラットヘッド(A3/CCDタイプ)

続いてアルバムをページごとスキャンできるA3サイズのCCD方式のフラットヘッドです。価格はぐんと上がります。

<EPSON>
yjimage-21ES-G11000(フォトスキャン・フィルム対応。画質は申し分なし。価格は25万円前後)

 

yjimage-22DS-G20000(2016年9月リリースの製品。ES-G11000の後継機種に当たり、光源にLED採用。現行のA3フラックシップ。フォトスキャン・フィルム対応。画質は申し分なし。価格は30万円前後)

 

※最後にCIS方式なので「番外」となりますが、A3フラットヘッドの価格破壊を実現した機種を紹介します。

<サンワサプライ> 
yjimage-23400-SCN025(2016年に直販サイトにて販売開始。A3サイズのフラットヘッドで実売価格5万円を切った話題のスキャナ。センサーはCIS方式ながら直販サイトではプリント写真にも対応と謳っており、掲載されたサンプル画像を見る限りはそこそこの取り込み性能。口コミレビュー等を確かめての判断か)

上記製品の詳しい性能や仕様については各販売メーカーのサイトで確認して下さい。
実売価格も日々、変動しているのでカカクコム等でチェックしてみて下さい。

スキャン作業のコツと注意点

パソコンとスキャナが用意できたらいよいよスキャン作業となりますが、まずは取り込み解像度を決めなくてはなりません。デジタル端末での閲覧が主な用途なら解像度は300dpiもあれば問題ありませんし、同サイズのプリントなら問題なく印刷できます。

600dpiまで解像度を高めると当然、高画質になりますが、デジタル端末での閲覧用途ならこれほどの高解像度はまったく必要ありませんし、スキャンの読み込み時間も倍以上かかる上、データ容量が4倍になり、扱いにくいファイルになってしまいます。

拡大プリントしたり、大型モニタで見る用途でなければ300dpiで十分すぎる解像度です。

バラ写真の取り込み

取り込みの行程は単純です。スキャナの原稿台に写真をセットし、ふたを閉じてスキャンしていきます。A4サイズのスキャナならL版写真が4枚、A3サイズのスキャナなら8枚程度はおけます。

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お持ちのスキャナには大抵専用のスキャンソフトが付属しているはずなので、そのソフトの機能を使ってどんどんスキャンしていくだけです。

なお、スキャナソフトによっては読み込んだ写真を1枚ずつ自動で切り抜いてくれたり、画像を自動で簡易補正してくれたりする便利な機能があります。ただし、自動補正をオンにすると、スキャンの読み込みに時間がかかりますので、とりあえず簡易補正オフでどんどん取り込んでおいて、後で画像修正ソフトを使って補正はご自分でやられた方が返って効率がよい場合があります。

アルバムごとスキャンする場合

アルバムに写真を貼り付けたままスキャンする場合は、アルバムのページ面積より大きな原稿台のスキャナが必要になってきます。台紙型アルバムは大抵、A4サイズを超えますからA3サイズのスキャナを用意しなくてはいけません。

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A4スキャナでも読み取り面をずらし、回数を分けてスキャンすれば可能ですが、著しく効率が低下するため現実的ではありません。また、アルバムには厚みがあり、スキャナのフタが完全に閉じられないばかりか、台紙の綴じ込み部分がガラス面から5ミリ程度浮いてしまうことがあります。そうなると被写界深度の低いCISタイプのスキャナでは浮いた部分がピンボケになったり、画像が歪んでしまいます。

CCDタイプなら5ミリ程度浮いていても被写界深度が深いため、きちんとスキャンされます。フタが開いていても問題ありません。したがって、アルバムをページごとスキャンしたい場合は、CCDタイプのA3スキャナの一択になるかと思います。

なお、アルバムのページスキャンは基本的に保護シートはめくってスキャンした方が画質はきれいです。特にCIS方式のスキャナを使う場合は、めくるのとめくらないのとでは雲泥の画質差がでてきます。

ただし、シートが写真と癒着している場合は、大切な写真を傷めないためにも、無理してシートを剥がさず、シートの上からスキャンすることをおすすめします。

ページデータから個別写真の切り抜き方法

取り込んだページデータから個別写真を切り抜く方法は、パソコンの画像編集ソフトでスキャンしたページデータを読み込み、画像を個別にトリミング(切り抜き)して保存していきます。もちろん、切り抜いた個別画像の解像度は取り込んだページの解像度と同じになっています。以下の画像はAdobe Photoshop Elements 14をつかってトリミングしている様子です。

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スキャンにかかる時間

お使いのスキャナの性能、読み込む原稿のサイズ、慣れによって作業時間は変わってきます。慣れない内はL版のバラ写真なら原稿台に4枚セットして自動切り抜きでスキャンした場合、原稿台にセットする時間も含め、ファイル保存完了まで2分くらいでしょうか。自動切り抜き機能を使わないなら1分未満でスキャンは完了しますが、そのあと編集ソフトによるトリミング作業が必要になってきます。

ソフトに自動切り抜き機能があるならそれを利用する方が短時間で作業を進められますが、原稿の種類、台紙の背景色、セットする枚数によって自動切り抜きは失敗するケースが多々あり、スキャンのやり直しを求められることがけっこうあります。自動切り抜き機能を利用するかどうかはセットする原稿の内容を見て判断しましょう。

以上、ご自分でプリント写真をデジタル化する時のポイントと注意点をざっくりとまとめてみました。どれだけの画質を求めるかは個人の価値観や感覚によって違ってきますので、あくまでも参考程度にしていただければと思います。

デジタル化が面倒ならプロにおまかせ

原稿量によってはスキャン作業は膨大な時間がかかります。これを楽しみながらやれる方はそれでOKですが、そうでない方はかなりの忍耐力が求められます。バラ写真ならともかく、アルバムに貼られた写真ともなると、1枚ずつはがして作業するのは至難の業です。デジタル化に着手したものの、途中で挫折してしまう方も少なくありません。そういう方は当社のようなデジタル化の専門業者に最初から丸投げしてしまうのも賢い選択かもしれません。プリント写真のデジタル化をお考えの方はぜひ、当社におまかせください。