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2-18_l人生の一コマを切り取った写真や思い出アルバムは何ものにも代え難い大切な宝物。そのコツコツと貯蓄した貴重な記憶財産を一瞬にして奪い去ってしまうのが自然災害です。

近年、日本各地で大きな自然災害が発生し、地震に伴う津波や大雨による土砂崩れなど、甚大な被害が報告されています。自然災害は100%予測できない出来事ですから、起こった直後は誰しも写真のことにまで気が回る余裕などありません。

しかし、難が去って少しずつ精神的な余裕が出来はじめた頃にふと我に返り、「そうだ、家族のアルバムも…」と喪失感に襲われるのです。

現場から回収された写真を持ち主に返す活動

こうした被災者が失った写真や思い出アルバムの回収・修復・返却を行いながら、家族の思い出写真に込められた想いをつなげる草の根的なボランティア活動が被災地を中心に広がっています。

そのひとつが東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県山元町で行われている「思い出サルベージ」という活動です。これまでにテレビの報道番組でも取り上げられ、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。 

「思い出サルベージ」とは?

津波の被害が甚大だった東日本大震災。仙台市と南相馬のちょうど中間に位置する宮城県山元町も例外ではなく、多くの家屋が津波に飲み込まれ、当然ながら思い出の写真やアルバムも泥をかぶってしまいました。

思い出サルベージのサイトより

被災後、自衛隊や消防作業員によって被災現場から回収されてくる大量の写真やアルバム。その数は山元町だけでも約80万枚にも上ったそうです。これは通常の台紙型アルバムなら4000冊分の写真枚数に匹敵します。

そんな回収された泥まみれのアルバムをボランティアの皆さんが心をこめて洗浄し、誰のものかわからなくなってしまった写真を常設展示し、持ち主を探して手元に届ける。それが山元町で行われてきた「思い出サルベージ」という活動です。

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少しでも多くの記憶財産を所有者の手元に返すため、活動には自治体や多くのボランティアもかかわり、根気の要る大変な作業を数年間にわたって続けてこられました。

その結果、震災から4年以上を経過した時点でおよそ半数の40万枚が持ち主の手に返却されたそうです。まさにコツコツと地道な作業を重ねたボランティア関係者の努力のたまものですね。しかし、まだ半数の所有者不明の写真が残されています。

震災から丸4年を迎えた2015年3月、写真の展示場所や運営維持費の問題を理由に写真の展示を終了するという動きもあったようですが、その後、自治体と運営組織の話合いにより、どうやら活動は継続されているようで、今なお、里帰りを待つ写真やアルバムは管理者の元に保管されているようです。

とても素晴らしい活動であり、「被災地が今なお支援を求めている現実」「思い出の大切さ」「人の心の温かさ」がひしひしと伝わってくる極めて社会的意義の高い活動としてグッドデザイン賞も受賞しています。
▼上4点の写真は「思い出サルベージのサイト」から引用しています。

興味のある方はぜひ、以下のブログサイトをご覧下さい。

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失って実感する思い出写真の価値

災害現場の様子がテレビで流れる中、被災された方が倒壊した我が家入り、家族のアルバムや写真を無我夢中で捜すシーンに心を打たれた方も多いのではないでしょうか?私も阪神淡路大震災を身近で体験した世代ですので、あの被災者のやりきれない喪失感はよくわかります。失って改めてその価値を実感させられるのが思い出写真なのです。

以下は「思い出サルベージ」の活動を収めた動画です。回収された写真やアルバムの中から我が家の思い出写真を探し求める被災者の切ないコメントに胸を打たれます。ぜひご覧下さい。

紙写真・災害に備えるなら迷わずデジタル化

普段はあまり意識しないかも知れませんが、思い出写真は記憶財産です。失って初めてその大切さに気がつきます。自然災害はいつ何時、自分の身に降りかかってくるかわかりません。そんな予期せぬ事態から思い出を守りたいなら、デジタル化しておくことをおすすめします。

デジタルデータに変換しておけば、その複製データを実家やオンラインストレージに分散保存することで万が一の時、消失の可能性を限りなくゼロに近づけることができます。まさかの時の備えは思い立ったときにするのが賢明です。

「あの時、デジタル化しとけばよかった」と後悔しないように。

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